歯髄温存療法(VPT)ってなに?

Holas Amigos!!
北上しらゆりデンタルクリニック院長の境です。
今回は歯髄温存療法についてお話しします。
ぜひ最後までお読みください!

虫歯がC2~C3(中~深めの虫歯)まで進行すると、本来は歯の神経(歯髄)を取る「抜髄」という処置が必要になることが多いです。しかし、「歯髄温存療法(VPT)」を用いることで、神経を残せる可能性があります。

歯の神経を取ってしまうと、その歯は10~20年ほどで抜歯のリスクが高まる傾向があります。
つまり、神経を残せれば歯を長持ちさせることに繋がります。

VPTの治療の流れ

1.防湿・無菌環境の確保を行います。

 ラバーダムという道具を使って、治療中に唾液や細菌が入らないようにします。

2.虫歯を除去します。

 清潔な状態で慎重に虫歯を取り除きます。

3.MTAセメントを使用します。

 歯髄が露出した部分にMTAセメントを置くことで、約1~6ヶ月かけて新たな組織(歯牙様組織)が形成され、神経が元通り保護されます。

治療後、1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月程度のタイミングでレントゲンを撮り、神経が生きているか確認します。もし神経が死んでしまったら残念ながら抜髄(神経を取る)や根管治療に切り替えることになります。

成功率について

歯髄温存療法の成功率は、治療の条件や歯髄の状態、治療後の経過管理によって異なりますが、適切に行われた場合、成功率は約90〜95%と報告されています。
特に、早期に発見された虫歯や感染が少ない場合は、成功率が高い傾向にあります。

治療費用について

MTAセメントは保険適用外(自由診療)の材料なので、保険治療より高くなります。当院では、VPT自体の料金はいただかず、最終的な詰め物やかぶせ物(自由診療)の代金のみいただく形で実施しています。

  • レジン修復(自由診療)  :約33,000円
  • ホワイトセラミックインレー:約55,000円
  • ホワイトセラミッククラウン:約77,000円

万が一、経過観察中に神経が死んでしまった場合は保険診療で抜髄や根管治療を行います。ただし、最終的な修復物はすでに自由診療料金をいただいているため、新たにかぶせ物の費用が追加されることはありません。

まとめ

  • VPTで神経を残すと歯が長持ちしやすい
  • MTAセメントで神経が自然回復する道を作る
  • 最終的な詰め物・かぶせ物は自由診療になり、その費用内でVPTも含めて実施
  • 経過観察中に神経が死んでしまった場合でも追加費用なしで対応

歯をできるだけ長く使えるように、こうした最新の治療法を活用していきます。
ご質問があれば、いつでもお問い合わせください。

詳しくは当院のHP「歯髄温存療法について」をご覧ください!